M.Yさんは、ナンバー1を3年間続けた元人気キャバ嬢。色恋営業を得意としていましたが、嘘に嘘を塗り重ねた結果、本当の自分を見失ってしまったそうです。彼女が昼職転職を決意したきっかけと、そのプロセスをうかがいました!
――M.Yさんは、大宮エリアの大規模キャバクラでナンバー入りしていたそうですね。
M.Yさん 私はお金が大好きで、「億レベルのお金を貯めたい!」という野心があったんです。だから毎日出勤して、質のよいお客さんにターゲットに絞って、とにかく営業していました。
ねらったお客さんに毎日LINEするのが当たり前。Instagramでは、お店では見せないような寝起きショットやパジャマ姿など、カジュアルな日常風景の写真をアップすると、好感度がすごく高かったですね。お客さんに「お店に来て」と言わなくても、「Instagramを見ているだけで、私に会いたくなる」とよく言われました。
――色恋営業が得意だったそうですが……。
M.Yさん お客さんの恋人のように振る舞うというのが、ぜんぜん無理なくできたんです。相手の性格に合わせて「こういう女の子が好きなんだろうな」と想定して、相手が欲しがる言葉をどんどん投げてあげるだけですから。そうすると、お客さんはすぐに落ちます(笑)。正直、「こう言えばチョロいでしょ」というような気持ちがあって、男を完全にナメていましたね。
その調子で3年くらいの間はほぼナンバー1でした。でもそのうちに、どのお客さんにどんなキャラで迫っていたのかが、だんだんわからなくなっていったんです。そのころは、人気はあったけどキャストからの妬みもすごくて、彼氏もすぐに変わるし、疲れちゃったんですかね。毎日「嘘に嘘を塗り重ねている」という自覚があって、テンションの上がり下がりが激しくなって、でも自分をごまかしながら働いていました。
それでも、だんだんボロが出てきたのか、お客さんが離れていくようになって、成績が下がりはじめたんです。いま振り返ると、もっと誠実にお客さんと向き合っていれば……と思うこともあります。最後のほうは、「結婚するって約束しただろ!」「寝てくれるって言ったから通っていたのに!」とかお客さんに詰め寄られることが多くて。お店から厄介者扱いされていたかも。
――それで昼職に転職しようと?
M.Yさん 嘘ばかりついている生活に嫌気がさしたというか、もう限界だなって思って。もっと本音で無理なく過ごせる仕事がいいと思うようになったんです。その頃には、貯金もけっこうな額に達していたので、人生の転機だと思って退店。お店からは引き止められませんでしたよ。転職サイト探しからはじめました。
昼キャリに決めたきっかけは、担当者の対応がよかったからです。
どういう理由で転職したいのか、どんな未来にしたいのかなど、熱心にヒアリングしてくれて、久しぶりに自分を見つめ直した感じでした。本音で話すことができて、とてもうれしかったですよ。
――現在のお仕事は順調ですか?
M.Yさん 担当者と話し合って、「未経験OK」という不動産営業の正社員に的を絞って、数社に応募しました。面接時に、正直にキャバ嬢だったことを話すと、「接客業の経験は営業に役立つ」と高い評価をくれた会社もあって、驚きましたね。
いまは先輩のサブとして営業に同行していますが、そろそろ独り立ちが見えてきました。先輩はていねいに教えてくれて、なんでも相談できる信頼できる人です。先輩やほかの社員を見ていると、いずれは宅建の資格もとって、もっと自分のスキルを高めたいなと考えています。自分がこの仕事に就くなんてぜんぜん思ってもいなかったのですが、新しい環境で前向きな気持ちで働いていますよ。精神衛生がいいというか、ストレスがないからかもしれませんね。
――これから昼職に転職したいと思っている夜職のみなさんにメッセージをください。
M.Yさん キャバは楽しいけど、不健康な生活、悪質な客からうけるストレス、ダイエットに毎日の飲酒を繰り返していると、精神的にも不健康になるよ!(笑) だから、いつまで続けるか目標を立てて、計画的に引退するのがいいと思いますね。昼職は夜職よりとストレスが圧倒的に少ないし、友だちや彼氏と会う時間も増えるし。
――「人生は計画通りにはいかないですよね」と言うM.Yさんの晴れやかな表情がとても印象的でした。昼キャリ一同、今後のますますのご活躍を期待しています!
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