H.Sさんは大学を卒業後、実家でゲームざんまいの日々。やがて家族の目が厳しくなり、夜のバイトをはじめます。バイト先で気の合う友達と出会って気楽な毎日をすごしていましたが、ある日幼なじみが起業すると聞いて焦ったH.Sさんは、ついに昼職転職を決意しました。
――大学卒業後は夜のバイトをしていたと聞きました。あらためてその理由を教えてください。
H.Sさん 大学では経済学を専攻していましたが、将来なにをやりたいのか決められずにいました。それに就職活動にも疑問を持っていました。どうせ入っても、上司や客先に毎日頭を下げながら働くなんて、想像しただけでも無理。そんな社会に出る前にやりたいこともあるし、そもそもリクルートスーツを着て作り笑顔をするのもイヤだし、と。
大学は卒業しましたが、就活しないでゲームばかりしていたら、ニートのような状態になっていました(笑)。たまに友達の実家の植木屋でバイトをしていました。でもほぼ毎日ゲームを朝までやって、昼間は寝るという生活を1年間くらい続けていたら、さすがに家に居づらくなりましたよ。
とりあえず固定でバイトでもするかと思って探したら、深夜清掃のバイトの日当がよかったので、即応募しました。清掃先はオフィスビルで、毎日違う現場だと聞いていたのに、結局毎日同じラブホテルの掃除でしたね。
――バイトは2年半も続けられたようですが、昼職転職を決められたきっかけを教えていただけますか。
H.Sさん 当初聞いていた話とまったく違うバイトでしたが、いろんなタイプの人がいて楽しかったんです。50代くらいのおじさんとは、仕事が終わったあと飲みに行くほど仲良くなりました。競馬を教えてくれた70代のおじいさんもいました。
そのなかでも、ゲーム好きの30代の先輩とは特に仲良くなりましたね。仕事終わりに彼の家に行って、ゲームをして、そのまま寝て、またバイトに一緒に行きました。
昼職転職のきっかけは、バイト生活が2年ほど経った頃、幼なじみから「起業する」とLINEをもらったことですね。
子どもの頃からずっと一緒にゲームをして遊んでいた、同い年の親友です。彼はゲーム制作会社に勤めていたんですが、独立して起業すると聞いたときは、なんとなく焦りました。自分は一体何をやっているんだろう、このままでいいのかと……。
――昼職転職はスムーズにいきましたか。
H.Sさん 幼なじみに追いつきたいという気持ちから、ゲーム業界一本に絞って就職活動をはじめました。初めての就活で気持ちが空回りしていたと思います。フリーター期間のことを質問されると、どうしても言葉につまってしまいました。履歴書はほとんど落ちるし、面接に行っても不合格ばかりでした。
有名な転職サイトにいくつか登録しましたが、書類審査がほとんど通らなくて、あきらめかけていました。正社員を狙っていましたが、アルバイトでもいいかなと思いはじめたときに、昼キャリのサイトを見つけたんです。サイトの感じから、キャバ嬢やホスト向けの転職サイトかと思ったけど、僕も一応夜の仕事ですし、まずはLINEで問い合わせしてみたら、面談してくれました。
担当してくれた方もゲーム好きで、僕の希望を真剣に聞いてくれて嬉しかったです。そのころには「もう一生バイトでもいいや」とあきらめていたのですが、僕に喝を入れてくれました。
まず書類審査に通りやすくなる自己アピールの書き方や面接のポイントなどを教えてくれたのは、とても助かりました。最終的には、正社員登用の可能性もある契約社員というかたちで、ゲーム制作会社に入社できました。
――入社されてから2年たちましたが、仕事は楽しいですか?
H.Sさん とても充実していますよ。「仕事が好きだ」と胸を張って言えます。
契約社員を6か月やったあとに、社長に気に入られていたみたいで、今は正社員になってゲームプランナーをやっています。契約社員期間は、一種の試用期間だったみたいですね。
幼なじみとも自信を持って会えるようになりました。清掃の仕事で仲良くなった先輩やおじさんたちともたまに飲みに行っていますけど。
――これから昼職に転職することを考えている人たちにアドバイスをお願いします。
H.Sさん 好きなことを仕事にするのは、夢じゃないと思います。自分自身の努力はもちろん必要ですが、サポートをしてくれる味方を見つけると心強いと思います。
僕は昼キャリの担当者さんにサポートをしてもらいましたが、友だちでも家族でも誰でもいいと思います。相談や報告ができる人を見つけられれば、頑張れます。
将来自分のなりたい姿を想像して、前に進んでください!
――H.Sさんはとても忙しいそうですが、満面の笑みでインタビューにこたえてくださいました。昼キャリ一同、H.Sさんの今後のご活躍を応援しております!